2010/04/07

最近の出来事

最近、物質構造科学研究所の広報委員というのをやっていて、そこで「ブログの更新をしないの?」と言われたので、広報活動のために何か書きます。

- 科研費の内定通知が来ました。若手研究(B)です。そんなにたいした額ではないですが、自由に使えるお金というのは非常にありがたいですね。ちなみに、今回の応募から「若手研究は最大2回までしかもらえません」というルールができました。実は、これで2回目なので、もう若手研究の枠でお金はもらえなくなりました。もう若くないということでしょうか。

- 日本学生支援機構から奨学金に関する書類が届きました。いつも職名欄が間違っている書類が届くので、毎年「違う」と主張しているのですが、今年もやっぱり間違っていました。前回は人事異動通知書やら労働条件通知書やらの写しを送るよう言われてちゃんと手続きをしたのですが、効果がありません。きっと来年も間違っているのでしょう。

- 昨日、職場で新人歓迎会をやりました。今回は僕が幹事だったのですが、東海村で開催したにもかかわらずつくばから大勢の人が来てくれて嬉しい悲鳴でした。今回加わった新人さんの方は10名で、東海も賑やかになりそうです。最近さぼっていた若手セミナーも復活させようかなぁ、なんて考えてます。

まぁ、とりあえずこんなところで。

2010/02/26

データ読み出しプログラム



今、装置のデータ読み出しプログラムを作っています。
普段だったらIgorを駆使してプログラムを書くのですが、今回はデータの形式が若干トリッキーでちょっとしたビット演算が必要な上、またファイルサイズが比較的大きいため速度が要求される、という事情があってC言語で書いてます。
ただ、最終的にはIgorで解析したいので"IgorXOP toolkit"というものを使ってプログラムを書くことにしました。
これはdllのようにIgorから読み出せるライブラリを作るソフトで、Cの速度と柔軟性をIgorで享受することができるというご機嫌なツールです。
昔、買ったまま使う機会が無く放置していたのですが、ちょっとがんばって勉強してみることにしたのですが…う~ん、すっっっっっかりC言語を忘れてしまっています。

IgorもCライクな言語ですが、色々な拡張がされていて割と便利に使えるようになっています(それが混乱を生む場合もありますが)。
そんなぬるま湯にしばらくつかっていたため、概念だけは覚えてるんだけど、具体的にどうするんだったか忘れた、みたいな感じで本を引っ張り出してきては「そうだったそうだった」と最学習する日々です。
そして、ご多分に漏れずポインタで躓きまくり、「あ、落ちた…」をひたすら繰り返しては初期化の重要性を再認識しております。

ちなみにこのtoolkitですが、何かのソフトというわけではなくC言語用のライブラリで、色々とお作法があって大変です。
しかも、使える開発環境が限られていて、今回はVCを使うことにしました。
ただ、こういう統合開発環境というのを僕は今まで使ったことがなかったので、そのお作法から覚えなきゃいけないという感じで、こっちでもとまどってます(いや、便利なんですが)。

おかげで最近ようやく少しずつ慣れてきて、今日ようやくデータ読み出しプログラムのプロトタイプが完成しました。
今までは別の方につくっていただいたLabview上で動かす簡易的なプログラムを使っていたのですが、それと比較しても十分早いです。
また、積分計算を含むフィッティングを時間かけて計算させていたのですが、XOPを使えばずいぶんと楽になるのではないかと期待しています。
いや、良いものを手に入れました。

せっかくのblogなので、気が向いたらXOPの話もちょくちょくとあげられたらなと思います。
まぁ、いつもの通り放置になる可能性の方が高いですが…

2010/02/03

村人生活

またもやサボってしまいましたね…

前回の日記に書いたとおり、12月に東海村へ引っ越してきました。
通勤時間が大幅に短縮されたこともあって比較にならないほど楽になったのですが、割と頻繁に「元気なさそうだけど大丈夫?」と聞かれています。
そんなこと無いんだけど、と思いながらも確かに何となくぼーっとしてる気もします。
おかしいなぁ。

東海村ですが、相変わらず食事がうまいです。
特に、実験中は本当に癒されます。
今日まで実験に来ていたユーザーさんは、実験のしんどさのあまりやけ食いしてました。
本人によると睡眠欲が満たされない分、食欲を満たしているとのことでした。
人間、どこかで精神的なストレスを発散させる必要があるのでしょうね。

そんな住むには割と良い東海村ですが、問題点もあります。
例えばゴミ出し。
分別がえらい細かく、右往左往しながらゴミを捨ててます。
プラスチックを水洗いの後に回収したりしてますが、どれだけの割合でリサイクルされているのかどうかは正直疑問に思ってます。

あと、先月仙台に出張する機会があったのですが、東海駅で乗ることが可能な常磐線が強風で遅延していて、一度上野に出てから仙台に行くという面倒な旅を強いられました。
常磐線は風に弱いので、これからもこういうことが度々あるのかと思うと頭が痛いです。
東京まで気軽に行ける距離ではないですし、この点に関しては前住んでいたつくばの圧勝ですね。

仕事の方ですが、僕が担当している装置は(自分で言うのも何ですが)かなり順調で、ちょくちょくと論文になりそうな成果が出始めている様子です。
結構な苦労をして作っている装置なので、良い結果が出てくれると「がんばった甲斐があった…」と心が満たされますね。
ただ、ここで危険な落とし穴は、そうやって他人の世話に気を取られて自分の研究がおろそかになってしまうこと。
来月はちゃんと自分の実験もやる予定でいます。
うまくいくといいなぁ。

2009/11/27

J-PARC@100kW運転

ずいぶんと間が空いてしまいました(いつも通りではありますが)。

この2ヶ月間、何をしていたかといいますと、中性子反射率計という装置の整備に全力投球しておりました。
こいつはJ-PARCという東海村にある陽子加速機施設に作っている装置なので、今住んでいるつくばから1時間ちょいかけて通っているわけです。

一般的に、加速機というのは電気代がかかる夏場はお休みしているのですが、10月は運転が再開されたということでビームを使った装置の調整をしていました。
ビームは24時間でていますので、そうなるとほぼ毎日夜中まで作業をすることになってしまい、帰りはもうへとへと。
実は居眠りしかけたこともありまして、非常に危険な状態でした。

それに懲りて11月は布団を持ち込んで居室のソファーベッドで仮眠を取ることにしました。
このときには装置の整備も完了したので、実際に使ってみたいというユーザーの方にテスト実験をもらったのですが、これまで1日かかっていた測定が数時間で終了してしまうという予想以上のハイペース。
質の高いデータが短時間で測定できるというのはすばらしいことではあるのですが、まだ測定の自動化もあまり進んでいませんので、夜中も人が張り付いている必要があります。
僕は基本的にはサポート要員という立場ではありますが、装置を立ち上げたばかりと言うこともあってなかなか離れられない状況でした。

そんなある日、「これはもう身が持たない」ということでふらっと不動産屋さんに立ち寄り、あっという間にアパートの部屋を押さえてしまいました。
うちのスタッフはほとんどがつくばから通っているのですが、家族のことを考えると皆さんなかなか引っ越せない様子です。
僕も、出張とか色々と便利ということでがんばってつくば生活を死守してきたのですが…あっというまに心が折れてしまいました。
まぁ、魚とかおいしいので、これからは東海村生活を満喫していきたいと思います。

2009/09/30

物理学会

熊本大学で開催された物理学会に行ってきました。
普段なら領域12のソフトマター物理で発表するのですが、今回は領域10のX線・粒子線で自分が担当している中性子反射率計の発表を行いました。
秋季大会ということで複数件の発表が認められているのですが、発表締め切り前にばたばたしてしていたということもあって、ソフトマター物理での発表は無しという形になってしまいました。
当日は領域12で発表を聞いたりはしていたのですが、自分は発表せずに人の話を聞き続けるというのはなかなか心苦しかったです。

今度は面倒くさがらずに、ちゃんと発表しよう。

2009/09/06

本免とれました

9月1日付けで助教に着任しました(とはいっても、所属は今までと全く変わりませんが)。
正直、着任前は本当に自分で良いものだろうかとびびっていたのですが、状況を受け入れ始めたのか今は(少しは)落ち着いてきています。
これからは慣れない種類の仕事も増えていき、いよいよ大変になっていくんだと思いますが、自分で選んだ研究者の道ですし、何とかがんばっていきたいですね。

まぁ、立場が変わっても自分という人間が劇的に変わるわけではありませんし、あんまり気負いすぎないように注意しながら、新しい仕事を自分になじませていければ良いなぁと考えています。
そういうわけで、今後ともよろしくお願いいたします。

2009/08/14

位相問題

当ブログですが、いろんな人に「更新してない」と言われ続けてます。
みんな意外と見てるもんですね。
とりあえず、何事もなかったかのように更新したいと思います。

先日、久しぶりに論文チェックをしてたらタイミング良く面白そうな論文を発見しました。
Emil Wolf, "Solution of the Phase Problem in the Theory of Structure Determination of Crystals from X-Ray Diffraction Experiments", Phys. Rev. Lett. 103 (2009) 075501.

私が良く用いているX線や中性子線の実験では、試料で散乱されたビームを観測します。
これは、レントゲンのように通常我々が見ている「実空間」ではなく、「逆空間」とよばれる普通の世界とは違った空間での試料の様子を観察する、という手法です。
具体的には、実空間をフーリエ変換すると逆空間になるのですが、とにかく、こういった物の見方をすると(例えば街路樹のように)周期的に配列した物をうまく観測することができるのです。
ただし、「逆空間」から我々の住んでる世界である「実空間」へと戻してあげるのはなかなか困難な作業で、それを妨げている問題の一つが「位相問題」とよばれるものです。
これは、逆空間上のデータを実空間に戻す際に重要な位相と呼ばれる情報が観測不可能である、という問題で、これが分かれば実空間へと戻してあげることが非常に簡単になるのです。

この論文では、その「位相問題」を解決するためにレーザーのように波の山と谷がそろった"coherent"なビームを使えば何とかなりそうですよ、という手法を紹介しています。
要するに、ビームの位相が揃ってれば、逆空間での位相も定まるんじゃない?、というのが話のエッセンスのようです。
同僚の話によると、coherentなビームを使えば位相問題の解決につながるというのは昔から言われていることらしいので、この論文のどういった部分が革新的なのかはちゃんとフォローできてませんが、多分、具体的な実験方法を提案していることが新しいのだと思います。
まぁ、提案だけで実際のデータは無いのですが、「このテーマはちゃんと勉強しなきゃな」と久しぶりに思えた論文でした。

しかし、X線にしても中性子線にしても結局行き着くところは「光学」で、よく考えたら自分はちゃんとそれをまじめに勉強したことが無いのです。
ニュートンの時代に完成された古い学問ということもあって分かった気になってますが、基礎的なもの、最先端のものを含め、もっと光学を勉強しなきゃいけませんね。
反省。