2010/12/23

仕事納め

ちょっと早いのですが、昨日で今年の仕事納めにしました。
お盆休みもとれなかったし、たまにはいいよね、と気楽に考えていたのですが、休み中、自分の代わりに対応する人がいるわけだよなぁと思うとちょっと心苦しい…
とはいえ、やるべきことは一通り片付けたし、居室の掃除もしたし、忘年会もやりました(飲み過ぎたけど)。
今日からは実家に帰ってきてます。
週末はちょっくら旅行に行ったりして休みを満喫したいと思います。
あ、原稿が宿題として残ってるのでそれは片付けないと。

それではみなさん良いお年を。

2010/12/06

さよならARISA

↓にも書いたのですが、私が面倒を見ている装置"ARISA-II"が最後の日を迎えました。
http://bl16.blogspot.com/2010/12/arisa-ii.html
といっても新しい装置がまたすぐに入ってくるのですが、この2年間、苦労しながら世話し続けてきた装置だけに心に響くものがあります。
作業中、「あ~、跡形もなくなってくなぁ」と思った瞬間、ちょっとセンチメンタルな気分になってしまいました。

思えば5年前、KEKにポスドクとして移ってきた時に実験したのが最初のふれあいでした(正確に言うと見学をしたことはある)。
その1年後にKEKの中性子源がシャットダウンするときも少し感慨にふけったものですが、今回ほどではなかったように思います。
単純に年齢を重ねたからなのか、それとも思い入れが強くなったからなのか。
まぁ、きっと後者でしょうね。

ARISA-IIのお世話を通じて、多くのことを学びました。
それを次の装置に生かすのはもちろんのこと、さらに多くのことを学んでいきたいですね。
あ、あと本格的に自分の実験もしないと。
ネタはいくつか仕込み中です。

2010/10/07

パブコメ

最近、学会とか職場の上司から「パブリックコメント書け」って指令が増えてませんか?
個人的には「面倒くさいなぁ」というのが本音なのですが、民主主義とは面倒くさいもの、ということで書いてみることにしました。
最近指令がきたのはこれ↓
http://seisakucontest.kantei.go.jp/
いわゆる政策コンテストで、要するに決められた予算枠から各省庁がコンペで予算要求する、というものです。
仕事上、文部科学省の提案に対してコメントするわけですが…う~ん、微妙。
意図することは理解できるのだけど、やり方が今までと変わってないって感じでしょうか。
正直に現場の感想をつらつらと書いたのですが、果たして学会的に、職場的にプラスになったのかは少々疑問です。

ただ、こういう「政治に参加してる」感のあるイベントというのも悪くない気がしました。
選挙より能動的に動いている気分になれるということかもしれません。
言ってしまえば江戸時代の「目安箱」ですが、伝わる「かも」しれない自分の意見を主張できる場というのは民主主義において非常に大切なことではないかな、という気がします。
逆説的に言うと、目安箱って割と先進的なシステムだったのかもしれませんね。

この3連休にでも他の省庁の政策にコメントだしてみようかなぁ。

2010/09/26

日本物理学会平成22年度秋季大会

物理学会に行ってきました。
職場では、装置のアップグレードに関する作業が行われていたのですが、技官の方に引き継ぎをして立ち会っていただくことにしました。
23日の祝日も出勤してもらって非常に申し訳ないので、ばっちりお土産を買って帰ってます。

さて学会の方ですが、僕が研究している物質がなんとガンに効くということを初めて知りました。
その筋の人に言わせると割と常識らしいのですが、僕の周りは誰も知らないというありさま。
もっと勉強しないといけないですね。

自分の発表は2件で、一つは研究、もう一つは面倒を見ている装置に関する発表でした。
どちらも話をするのが初めてということで微妙に勘所がつかめず、ちょっと準備不足だったかも…と少し反省してます。
特に、研究の方は結果自体がまだまとまりきれていないこともあって少し自信がなかったのですが、それなりに質問はありました。
一応、及第点だったと信じたいところです。

あと、今回は初めて座長を経験しました。
講演のタイトルと名前を言ってタイムキーパーをし、質疑応答の司会をする「だけ」なのですが、割と疲れますね。
会場から質問が無かった時のためにいくつかストックを準備しなくちゃいけないので、普通に発表を聞くより集中していたためでしょうか。
また、司会進行や質問作りに気が行くため、純粋に講演を楽しめない、というのもつらいところです。
そのうち、特に気にせずにできるようになるんですかね。

全体的に参加者がいつもより少ない印象でしたが、それなりに得る物はありました。
明日からまたがんばろ~。

2010/09/06

W一般公開

先週・今週と職場の一般公開がありました。
先週は私が面倒を見ている装置があるJ-PARCの一般公開、今週は私の所属しているKEKの一般公開です。
今年はKEKの一般公開委員というのをやっていたので両方に参加しました。
共に3000人以上の方が見学にこられたということで、非常にありがたいことだと思います。
そんな一般公開の感想を忘れないうちにちょっとメモしときます(半分は自分用)。

- J-PARCの一般公開ではポスター展示を依頼されたのでそれのみを準備したのですが、ちょっと失敗だったかと反省してます。というのも、(ようやく気づいたのですが)一般の人にとってはポスターは「自分で読む」ものであって「説明してもらう」ものではないみたいですね。「説明しましょうか?」と言ったら「読めばわかります」って言われちゃいました。最初はちょっとショックを受けたのですが、まぁ確かに書いてあることをわざわざ読み上げて説明する必要なんてないですよね。研究会なんかで作る、説明すること前提のポスターと勘違いすると痛い目に遭います。

- そんな反省をふまえ、KEKの一般公開では文字は大きく、絵は多く、というポスター作りをがんばりました。ここで大変なのは情報の取捨選択です。我々としては仕事にこだわりがあるので色々と書きたくなっちゃうのですが、それを全部つめこんだってただでさえ難しいのだからわかるわけがありません。「この1点だけわかってくれればいい」ぐらいの気持ちでA0一枚のポスターを作るべきなのかなと思いました。聞いた話によると、個人的に見学にきていたJ-PARCの広報の方が「わかりやすいポスターだったので参考までにファイルをほしい」と言っていたそうです。がんばった甲斐がありました。

- あとはやっぱり小道具の威力を感じました。今回、KEKの一般公開向けに広報の餅田さんと「核破砕シミュレーター」というのを作りました。これはビー玉で陽子が当たって中性子が発生する様子を模倣したもので、原型は去年の一般公開委員の瀬谷さんが考案しました。今年はそれをグレードアップさせ、中性子が装置まで導かれる様子まで模倣することにしました。何回かつくばに出かけて試行錯誤を繰り返し、前日に仕上げたのですが、なかなかの出来栄え。子供が遊べ、大人も納得できるという感じでなかなか好評だったのではないかと思います。来年のJ-PARCの一般公開には何か自分の担当装置に関する小道具を用意するかなぁ。

とにかく、自分なりには一般公開に貢献できるようがんばりました。
あとは一般の人に楽しんでもらえていたかが心配ですが、その辺はアンケートの集計結果がでるのを待つしかないですね。

最後に、関係者のみなさま、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
あと、暑い中、本当にお疲れ様でした。

2010/08/26

おみやげ

事務室に行ったら新しいおみやげが。


ベタですが、ちょっと笑ってしまいました。
騒がれてむしろ商売繁盛。
何というか、みんなもう普通に受け入れてしまった感がありますね。

2010/08/09

ノー残業ウィーク

来週はうちの事務の「ノー残業ウィーク」らしいです。
残業しないために前倒しで残業、ということになってなければ良いのですが。

有給使い切る国の最下位は日本(33%)だそうです。
僕も使い切れてません。
実験中は普通の休日を取るのに苦労します。

前回、ビームが止まったので少し楽になるかな、という話を書いたのですが、そうは問屋が卸しませんね。
ここぞとばかりに雑用が降ってきます。
ここ数週間で似たようなレポートを3つも4つも書いていたのですが、ようやく一段落付きました。

何が言いたいかというと、今日は早く帰ってやる、という自分への言い訳です。
勤務時間は過ぎているので別に何の問題もないはずなのですが、人より早く帰ると何となく罪悪感を感じてしまうのです。
残業すらこんな有様ですから、有給は言わずもがな、ですね。
悲しき貧乏性です。

2010/07/02

夏休み?

加速機が止まりました。
といっても故障ではありません。
一般的に、加速機という代物は電気を食うので、エアコンで電力消費が大きい夏場は計画的に止めるのです。
と、いうわけでちょっとの期間(10月まで)実験は小休止です。

では、暇になったかというと決してそんなことはなく、ビームが止まっている夏場にしかできない装置のメンテナンス等をしなきゃいけません。
特に今年は装置本体を入れ替えたり、その他にも色々と大物が待っているので、割と準備が大変です。
まぁ、ビームが止まってほっと一息ついているのは確かなのですが、今はその工事の準備をしたり、たまっていた雑用を消化したり、新たに降ってきた雑用をこなしたりしてます。
何か雑用の比率が高いのが気になりますが、ビームが出てからのことを考えて、暇を見つけて予備実験をやりたいですね。

がんばろー。

2010/05/25

念願の論文受理

ついに、私が面倒見ている装置から論文がでました!
A. Horinouchi, Y. Fujii, N. L. Yamada, K. Tanaka, "Surface reorganization of thin poly(methyl methacrylate) films induced by water", Chem. Lett., accepted.

自分なりにがんばって整備した装置が結果を残し、正直嬉しいです。
励みになりました。
次は自分で実験して論文書くぞ~!!

プロの技術

今月から私が働いているJ-PARCの装置がフル稼働してます。
参加しなきゃ、という打ち合わせ等も実験で度々つぶれてます。
立ち上げたばかりの装置だからということもありますが、多分ユーザーへの引き継ぎ方があまり上手ではないのだと思います(マニュアルもまだですし)。
こういうのは、ちゃんとシステム化しないとしんどいですね。

先日、空いた時間で基礎物理をやっている同僚の試料を測定しました。
見たデータのざっくりした特徴から「多分こんな感じ」ってことを伝えたら「物性屋さんは見てきたようなこと言うなぁ」と言われました。
測定したデータなんだから実際に見てるわけですが、その辺が領域による感覚の違いなのですかね。
まぁ、「プロですから」と答えておきました。

プロと言えば、今来ているユーザーさんも驚異的な技をもってました。
事故により試料(Si基板上の薄膜)がごちゃまぜになった際、目で見てその光の加減から「これは**nmぐらいかなぁ」と言い当てるのです(本人曰く誤差は数nm)。
まさに人間エリプソメーター。
びっくりしました。


という感じの、そんな現場な日々を送っています。
まぁ、現場にいられるだけ幸せなんでしょう。

2010/05/03

引っ越し

GWですが、休みすぎると反動が怖いので半日だけ仕事をしています。
とはいえ、あまりやる気も出ないのでwebページの引っ越しをしました。
引っ越し先は↓です。
http://sites.google.com/site/nlyamada/

今まで職場のサーバーに上げていたwebページをgoogleサイトというサービスに移したのですが、これを使うとブラウザ上から更新が可能なので、html作ってアップロードし直す、という手間が省けて作業が楽になります。
前に教えてもらい、いつかやろうと思っていたのですが、ようやく実現しました。
何かblogを作るのとあまり差がなかったです。

しかし、最近は何もかもgoogle先生に任せきってしまっています。
リスク分散のためにはもっと色々なサービスを使った方が良いと思うのですが、管理の手間を考えると「ま、いいか」と妥協してしまいます。

そういうことばかりしていたので、今日はプログラムを書く予定だったのに、少ししか進みませんでした。
まぁ、こういう事は休みの日じゃないとできないのでよしとしましょう。

2010/04/07

最近の出来事

最近、物質構造科学研究所の広報委員というのをやっていて、そこで「ブログの更新をしないの?」と言われたので、広報活動のために何か書きます。

- 科研費の内定通知が来ました。若手研究(B)です。そんなにたいした額ではないですが、自由に使えるお金というのは非常にありがたいですね。ちなみに、今回の応募から「若手研究は最大2回までしかもらえません」というルールができました。実は、これで2回目なので、もう若手研究の枠でお金はもらえなくなりました。もう若くないということでしょうか。

- 日本学生支援機構から奨学金に関する書類が届きました。いつも職名欄が間違っている書類が届くので、毎年「違う」と主張しているのですが、今年もやっぱり間違っていました。前回は人事異動通知書やら労働条件通知書やらの写しを送るよう言われてちゃんと手続きをしたのですが、効果がありません。きっと来年も間違っているのでしょう。

- 昨日、職場で新人歓迎会をやりました。今回は僕が幹事だったのですが、東海村で開催したにもかかわらずつくばから大勢の人が来てくれて嬉しい悲鳴でした。今回加わった新人さんの方は10名で、東海も賑やかになりそうです。最近さぼっていた若手セミナーも復活させようかなぁ、なんて考えてます。

まぁ、とりあえずこんなところで。

2010/02/26

データ読み出しプログラム



今、装置のデータ読み出しプログラムを作っています。
普段だったらIgorを駆使してプログラムを書くのですが、今回はデータの形式が若干トリッキーでちょっとしたビット演算が必要な上、またファイルサイズが比較的大きいため速度が要求される、という事情があってC言語で書いてます。
ただ、最終的にはIgorで解析したいので"IgorXOP toolkit"というものを使ってプログラムを書くことにしました。
これはdllのようにIgorから読み出せるライブラリを作るソフトで、Cの速度と柔軟性をIgorで享受することができるというご機嫌なツールです。
昔、買ったまま使う機会が無く放置していたのですが、ちょっとがんばって勉強してみることにしたのですが…う~ん、すっっっっっかりC言語を忘れてしまっています。

IgorもCライクな言語ですが、色々な拡張がされていて割と便利に使えるようになっています(それが混乱を生む場合もありますが)。
そんなぬるま湯にしばらくつかっていたため、概念だけは覚えてるんだけど、具体的にどうするんだったか忘れた、みたいな感じで本を引っ張り出してきては「そうだったそうだった」と最学習する日々です。
そして、ご多分に漏れずポインタで躓きまくり、「あ、落ちた…」をひたすら繰り返しては初期化の重要性を再認識しております。

ちなみにこのtoolkitですが、何かのソフトというわけではなくC言語用のライブラリで、色々とお作法があって大変です。
しかも、使える開発環境が限られていて、今回はVCを使うことにしました。
ただ、こういう統合開発環境というのを僕は今まで使ったことがなかったので、そのお作法から覚えなきゃいけないという感じで、こっちでもとまどってます(いや、便利なんですが)。

おかげで最近ようやく少しずつ慣れてきて、今日ようやくデータ読み出しプログラムのプロトタイプが完成しました。
今までは別の方につくっていただいたLabview上で動かす簡易的なプログラムを使っていたのですが、それと比較しても十分早いです。
また、積分計算を含むフィッティングを時間かけて計算させていたのですが、XOPを使えばずいぶんと楽になるのではないかと期待しています。
いや、良いものを手に入れました。

せっかくのblogなので、気が向いたらXOPの話もちょくちょくとあげられたらなと思います。
まぁ、いつもの通り放置になる可能性の方が高いですが…

2010/02/03

村人生活

またもやサボってしまいましたね…

前回の日記に書いたとおり、12月に東海村へ引っ越してきました。
通勤時間が大幅に短縮されたこともあって比較にならないほど楽になったのですが、割と頻繁に「元気なさそうだけど大丈夫?」と聞かれています。
そんなこと無いんだけど、と思いながらも確かに何となくぼーっとしてる気もします。
おかしいなぁ。

東海村ですが、相変わらず食事がうまいです。
特に、実験中は本当に癒されます。
今日まで実験に来ていたユーザーさんは、実験のしんどさのあまりやけ食いしてました。
本人によると睡眠欲が満たされない分、食欲を満たしているとのことでした。
人間、どこかで精神的なストレスを発散させる必要があるのでしょうね。

そんな住むには割と良い東海村ですが、問題点もあります。
例えばゴミ出し。
分別がえらい細かく、右往左往しながらゴミを捨ててます。
プラスチックを水洗いの後に回収したりしてますが、どれだけの割合でリサイクルされているのかどうかは正直疑問に思ってます。

あと、先月仙台に出張する機会があったのですが、東海駅で乗ることが可能な常磐線が強風で遅延していて、一度上野に出てから仙台に行くという面倒な旅を強いられました。
常磐線は風に弱いので、これからもこういうことが度々あるのかと思うと頭が痛いです。
東京まで気軽に行ける距離ではないですし、この点に関しては前住んでいたつくばの圧勝ですね。

仕事の方ですが、僕が担当している装置は(自分で言うのも何ですが)かなり順調で、ちょくちょくと論文になりそうな成果が出始めている様子です。
結構な苦労をして作っている装置なので、良い結果が出てくれると「がんばった甲斐があった…」と心が満たされますね。
ただ、ここで危険な落とし穴は、そうやって他人の世話に気を取られて自分の研究がおろそかになってしまうこと。
来月はちゃんと自分の実験もやる予定でいます。
うまくいくといいなぁ。